王女未央(锦绣未央jǐnxiù wèiyāng)
2016年・全54話
再生回数230億超えの名作。
唐嫣ティファニー・タン 李未央/心儿 りびおう・ふうしんじ
罗晋ルオ・ジン 拓跋浚 たくばつしゅん
吴建豪ヴァネス・ウー 拓跋余 たくばつよ
毛晓彤マオ・シャオトン 李常茹 りじょうじょ
李心艾リー・シンアイ 李长乐 りちょうらく
梁振伦リャン・ジェンルン 李敏德 りびんとく
陈钰琪チェン・ユーチー 拓跋迪 たくばつてき
金瀚 ジン・ハン 叱云南 しつゆんなん
2020年も半ばを過ぎてようやく見始めました。王女未央。
230億回再生越えの名作とあって一話見てすぐに今まで手を付けなかったことを後悔。
数日前に見始めて、ようやく終盤45話あたりまで来ました。
未央を見て、思うところが多くあったのでちょっぴり感想を…。
長楽に思いを馳せる。
ここまできて、もちろん未央のことを応援しています。拓跋浚と幸せになってほしいです。周囲の人たちが今まで貶めようとしてきた様々な悪行が明るみに出て、その人達が罪に見合う正当な裁きを受けてほしい。そう思います。けれど、一方で正義の反対もまた正義だったりするわけです。もちろん、人の命を奪ったり、故意に傷つけたり、私腹を肥やすような行いは良くありません。他人の権利や財産を無理やり奪ってはいけないからです。
今まで何度も未央は殺されかけ、深手を負ったり、毒を盛られたりと大変な思いをしました。そのように人を害する行いは罰せられるべきですが、なぜそこまでさせてしまったのか、私はその動機に同情してしまいます。
李長楽は、尚書である李蕭然と叱云家の叱云柔の間の子、家柄も良く都一の美女で何不自由なく育ちました。また、幼少のころは、陛下の孫の拓跋浚と琴を奏でるなど、高貴な方との関係を深めていました。将来を阻むものは何もなく、拓跋浚の正室になり、拓跋浚が皇帝になるというレールの上を走っているように思えます。
長楽にとって、拓跋浚は初恋の相手。幼少のころより慕っていた人。拓跋浚には他の女を目に入れてほしくありません。ですが、心配する必要はありません。なぜなら、自分は都一の美女で、家柄も悪くなく、敵うものなど一人もいないのですから。ですが、突然村育ちの異母妹がやってきて、自分の好きな人と恋に落ちるわけです。腹が立ちます。
未央の親は、自分の母親にとっても敵です。父には、妻である自身の母が居ながら、別の女との間に子供をもうけました。現代で言えば不倫と言えるでしょう。長楽の母(柔)としても面白くないはず。その時代は、側室を持つのが当たり前だったとしても、妻である自分の母がいながら母以外の女を愛するなんて。側室にも敵わないくらいの魅力があって、お互いを尊重し合える仲であるなら、百歩譲って許せるかもしれません。けれど、相手は一足湯係。なぜ、卑しい身分で秀でたところが何も無いような女に父の心を奪われなければならないのでしょうか。そしてその女の娘が突如やってきて、いままで温めていた自分の恋をぶち壊します。
拓跋浚は、今まで自分のことを特別には思ってないかもしれませんが、少なからず好感はあったはずですし、拓跋浚の母にも気に入られており、家柄も良いため家の繁栄のためにも非常に良いはずなのに。
未央のせいですべてが台無し。拓跋浚の心が奪われてしまった。未央さえいなければ、拓跋浚は自分を愛してくれたかもしれない。未央さえいなければ、母は心穏やかに暮らせたかもしれない。
未央がいなくなれば、また自分を思い出してくれるはず。未央がいなくなれば、父を寝取られた母の恨みも晴らせる。
でもいくら未央を殺そうとしても、切り抜けて戻ってくる。そして、未央を助けるのは大好きな拓跋浚。村育ちとは思えないほど賢く、時に反撃される。未央が来る前は、何もかも順調だったのに。ただ拓跋浚に振り向いてほしいだけなのに。
こう思うと、長楽がかわいそうでなりません。相手が別の人を愛している以上、振り向かせるのは容易ではありません。自分の好きな人が自分のことを好きになることの方が少ないです。だから、長楽の思いは、拓跋浚が未央に恋した時点で潰えたわけです。どうにかして、拓跋浚に振り向いてほしいけれど、他人の心は変えられない。自分が拓跋浚を愛しているように、拓跋浚も未央を愛してしまったのですから。
長楽に落ち度があるとすれば、手段を選ばず平気で相手を貶めようとする卑怯なところだと思います。実際その卑怯さは、たびたび罰せられ農場に送られることになります。もしもこの卑怯さがなく、純真無垢な性格ならば少しは拓跋浚の同情を寄せられたかもしれません。けれど、そんな性格だからこそ、今の地位を築けたとも言えます。
長楽にとって拓跋浚の正室になり、皇后になるという夢は高望みでした。この夢に挑戦しなければ、良家に嫁ぐなりしてささやかな幸せを手にできたと思います。けれど、長楽はその道を歩くつもりなど毛頭なく、拓跋浚に愛される道を歩きました。険しく、その先にはもう道が無くなっているのに、夢を叶えるため歩きました。
長楽が一縷の望みにかけ、拓跋浚を追い求め続けたことを認めたいと思いました。
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