宮廷の諍い女 完走しました！
チャンネル銀河さんの「宮廷の諍い女」のページ
概要
雍正帝が王位を継承した時代、後宮（皇帝の妻たちの住まい）では、華妃と、与皇后が皇帝の寵愛を巡って諍いを繰り広げていました。
優秀な世継ぎのため多くの子をもうけたい皇帝は、秀女選び（側室を選ぶ）を行い、そこで目に留まったのが、17歳の甄嬛でした。甄嬛は、親友の沈眉庄や、秀女選びで親しくなった安陵容とともに、側室になりました。
純真無垢な三人は、後宮での諍いに巻き込まれ成長しそれぞれの人生を全うしていきます。
原作
2011年の作品
原作は、吴雪岚著の小说《后宫·甄嬛传》
この作家さんは、如懿传（全87話）の脚本も担当しています。
感想
前半（出家前まで）
秀女選びで一緒に側室になった三人、甄嬛、沈眉庄、安陵容。
純粋で、華妃に怯え、静かに一生を過ごせることを願い、助けあいながらつつましく暮らしている様子が安心できます。しかし、沈眉庄の偽妊娠事件から徐々に静かな生活が狂い始めました。
前半は、甄嬛の美人は目立ちますが、控え目で他人に対して策を弄したりせず、床に伏し寵愛は要らないと言っているあたりの無知で無垢な様子にとても好感が持てます。
この前半があるからこそ、多くの人に正当な方法でひどい仕返しをしていても甄嬛の立場で見進められます。
果郡王との出会い
御花園で皇帝と出会った甄嬛。皇帝の顔を見ても皇帝だと気づかない甄嬛に、自分は果郡王であると名乗ります。これが、皇帝との出会いで、最大の間違いでした。甄嬛の心にとって果郡王はとても気になる存在になります。出会いとしては、すごく良かったけれど、本物の果郡王を知れば知るほど、このとき目の前で会話をした皇帝よりも、果郡王のことが気になります。
実際、多くの側室といざこざを抱える皇帝よりも、若くて自由で妻がいない果郡王の方が年頃の女にとっては自然と魅力的に見えます。
果郡王と駆け落ちしました。という世界線があったら見てみたい。と思わせる前半でした。
中盤 （出家中）
出家した先のお寺でも、後宮の女たちのように、良いやつ悪いやつが居ます。
どの世界でも、自分に合う人合わない人がいるという普遍の現実を突きつけられ気が遠くなります。産後で弱っている身体に手が悴む寒い中での労働、辛い毎日です。
そんな中、後宮の女たちがお祈りに寺を訪れ鉢合わせになり、故意にいじめられます。女というのは、隙を見つけた途端つけこんで…飽きないですね。病気のため寺を追い出され、弱った甄嬛を助けたのは果郡王でした。
ここから、果郡王との駆け落ちストーリーが始まっても、視聴者は全く怒らないですが、そんなあっさり幸せにしてくれるはずもなく、この果郡王との愛の生活は長くは続きませんでした。実に悔しい！！！
後半（出戻り後）
果郡王の子を妊娠したまま、茨の道と知っていながら覚悟を決め後宮に戻ります。
この頃には、安陵容はすっかり皇后の手下となっていました。甄嬛からすると、助け合って暮らした昔のような仲には戻れないですが、安陵容は安陵容で、後宮で皇帝の寵愛を受けるために努力したにすぎません。出自も良くなく、容貌もずば抜けてよいというわけではない中で、歌を磨いたり、スケートを練習したりと非常に努力家です。その努力が実り、寵愛を独占することもありました。このように、逆境を乗り越え寵愛を受けるも、結局は皇后の手下として、妊娠しないように管理され続けていたので、皇帝の子を産み育てるということは叶わず、安陵容に注目してみてみると、辛いことの多い一生で同情せざるを得ません。
沈眉庄は、医者の温実初を慕い、一時の過ち（本人にとっては一時の幸せ）により、子を授かりました。温実初は、甄嬛とは幼馴染であり想いを寄せていたため、二人の間に不貞行為があったと疑われることになりました。その知らせを聞いた沈眉庄は、驚きそのまま産気づき、自分の命と引き換えに出産。温実初の子であることを甄嬛に告げこの世を去りました。後宮に入ったばかりのころ、沈眉庄が誰よりも早く寵愛を受け、その後甄嬛の寵愛に嫉妬していた頃が懐かしく、あの頃は若くて無知で、無垢で良かったなぁと思わされます。沈眉庄は、とうに皇帝に寵愛されることに価値を見出せず、自分の人生の虚しさを嘆いてきました。そして、甄嬛が居なくなった後の心の支えは温実初への想いだったはずです。最後に愛する人の子を産み、そしてその子を温実初に抱いてもらえました。子供の成長は見ることが出来ませんが、人生の最後に本当に愛する人と結ばれ沈眉庄の人生も大変だったけれど、来世で幸せになってほしいと思いました。
さて、皇帝が崩御する間際、甄嬛の生んだ子が果親王の子であることを悟り、寧嬪がすり替えた丹薬によって最後を迎えます。皇帝は死の間際甄嬛に対して、「この毒婦」と罵りますが「あなたの足元にも及ばない」と言い返されます。
女の諍いばかりに目がいき、すっかり忘れていましたが結局のところ女にほだされ、いさめるところをいさめずに来たからこそ後宮が乱れたわけで、毒婦と罵るわりに、皇帝こそ、多くの女たちを不幸にし生き地獄を味あわせ、そして死刑にし、関係者を拷問してきました。もちろん女たち、策を弄し足の引っ張り合いをしてきましたけれど、甄嬛の言う通り、皇帝の足元にも及びません。
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全76話、あっという間に見終わりました。
色々あって疲れてもう動けないっていうのが一言め。
２周目は到底できないくらいくたくたになる見ごたえある作品でした。
かいつまんで、感想を書きましたが、それでもいろんな事件を思い出して
複雑な気持ちになります。この時代の女の幸せって何だろう。
女の世界っていつでも厳しい。
彼女たちにならって、時に無知なふりを、
むかついても、すぐには噛みつかず、
静かにチャンスを伺う。
現代の女の世界でも通用しますね。
明日も頑張りましょう！（急な現実に白目）
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